触覚と聴覚に働きかける直感的な誘導床のユニバーサルデザイン

山﨑陽聖(柳研究室)

誘導床

ユニバーサルデザイン

点字ブロック

01

研究背景

誘導床の代表例である点字ブロックには、線状ブロックが進行、点状ブロックが停止といった視覚と共に触覚を用いた情報デザインが施されている。しかし、これらの情報表示が示す誘導のための手続きは直感的に理解できるものではなく、学習を必要とすることから、より多くの人に利用されることが想定されていないといえる。本研究では、日本庭園における飛び石がもつ五感に効果的に働きかける情報表示の手法を参考に、誘導床のタイルを敷き詰める事で誘導床を制作する。具体的には、面①から進行した場合は足裏に柔らかく摩擦の強い面が当たり、その引っ掛かりによって「停止」を示し、②から進行した場合は、足裏に固い面が当たり「進行」を示す。

02

研究内容

評価実験の結果の結果によって、往路における踏み込み時には面①の摩擦によって「停止」を提示できており、復路においては、MDFの上を歩行させることによって「進行」を提示できていることが示された。今後の展望として、より硬度に差異を持たせられるような素材を用いる事によって、本研究における本来の「直感的な誘導床」をより原義に近い形で実現できる可能性は十分に考えられる。また、段差によって車椅子やハイヒールなどの利用が制限されることは、実用化に向けた大きな課題であり、ユニバーサルデザインとして、より多くの人が使えるような設計改善が見込まれる。