「釣り糸ごみ」の処理を支援する道具の提案

中嶋寛太(安井研究室)

プロダクトデザイン

人間中心設計プロセス

海洋プラスチックごみ

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研究背景

近年,世界的に海洋プラスチックごみが問題視されており,生態系を含めた海洋環境への影響や沿岸居住環境への影響などが懸念されている.特にプラスチックごみの中でも釣り糸ごみは,釣りをする中で発生するため,海や川といった釣り場の近くに捨てられている例が散見される.また,細かくて軽いという性質をもつことから,誤って落としてしまうなど,ポイ捨てに限らず意図しない要因でもごみとして海中に流出することが懸念される.以上のことから本研究では,釣り糸ごみに着目し,釣り人が正しく釣り糸ごみの処理ができるよう支援する道具の提案を行う.

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研究内容

本研究では,釣り場で発生した釣り糸ごみの回収とその後の分別,処分するまでの一連の流れを釣り糸ごみの処理と定義し,釣り糸ごみの処理を支援する道具の提案を行う.本研究では,機能要件の定義を目的としている.制作したプロトタイプに対して評価とブラッシュアップを繰り返す中で,適切な形状を模索し有用性のある機能を明らかにする.  「粘着巻き取り式」という方式を考案した.粘着素材を用いて釣り糸ごみをくっつけて回収する機能と巻き取って回収する機能を実装している.現在,この方式を基に様々な形状やその他必要な機能を実装して試作を繰り返している.