読書の先延ばし防止のためのWebサービス設計

嶋中瑛亮(美馬義亮研究室)

読書

先延ばし

Webサービス

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研究背景

本研究では「積読」という現象を解決することを目的としていた。積読とは、入手した書籍を読まず積んだままにしている、すなわち放置している状態のことである。この積読が解消できれば、読書から知識を得る機会の創出をすることができる。また、読書から心理的効果などの利益を享受することも可能であるという研究もある。しかし、今日では積読を問題視し、解消しようとする先行研究は確認できなかった。そこで、本研究では積読を問題とし、これを解消することに特化した読書管理Web サービスの設計・開発を目的に研究を進めた。

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研究内容

本研究では、タスクの先延ばし事例を元に、これらを解消できれば積読を解消できると仮説を立てた。  タスクの先延ばしには「失敗過敏」という、失敗を過度に気にする傾向と、「行動疑念」という自分の行っている行動に疑問を持つ傾向がある。「失敗過敏」と類似した「学習性無力感」という、将来の失敗を予想し最初から挑戦を避ける現象もある。これらが積読を引き起こす要因であると仮説を立てた。この仮説を元に、Webサービスの開発を行った。  実験では3日間本システムを使用してもらい、これらの傾向を解消できたか、読書の意欲を持たせることができたか測った。結果としては、本システムで解消はできなかった。しかし、積読は意欲がないからではなく、余暇の時間を作れていないことが原因であるという結論を出すことができた。