ウェブ小説創作者に自信を与える感想システム
松山穂乃夏(岡本研究室)
ウェブ小説
CGM
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研究背景
現在成長を続けているウェブ小説には、紙の書籍とは大きく異なる特徴がいくつか存在します。その中でも最たるものが、作者と読者の距離が近く、反応が即座に返ってくる点と、投稿した小説に対する反応の可視化です。これらはウェブ小説のメリットであり、時にデメリットにもなります。そしてこのデメリットを起因として、少なくない作者が創作活動を辞めてしまう現状があります。本研究ではこれを着目すべき課題とし、自己効力の概念を用いて創作者を庇護するのではなく、自己効力を向上させ、創作活動を続ける自信と困難に立ち向かう自信を与えることを目指しました。
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研究内容
本研究では、読者からの詳細な評価と、客観的な視点から作品への理解を深め、自身が生むものの魅力や強みに気付き成功体験を積むことが、作者の自己効力の向上に繋がると考えました。小説投稿プラットフォームの感想機能に着目し、非言語でも読者が良いと感じた箇所や、そこに対する感情が伝わるような機能を作りました。これにより、読者が感想と送る手軽さと一つの感想に含まれる情報量の多さを共存させることができます。この機能によって、やり取りされる感想の母数が増え、多くの情報を得ることができるようになり、作者自身の作品への理解に繋がると考えました。ここから、作者の自己効力を向上させ、創作活動を続ける自信を得ていくことに繋がると考えられます。